神さまのような少年のような君へ

沼をのぞき込む間もなく気づいたら落ちている日々

初めてバックJr.担として現場に入った ~Hey!Say!JUMP LIVE TOUR 2019-2020 PARADE~

「Hey!Say!JUMPのコンサート、名古屋公演はTravis Japanがバックに付いているらしい」

なんで……というのが第一印象だった。それは金曜日の夜だった。そのときは残業中だったけれど、Twitterでその情報を見て以降、動揺で仕事が全く手につかなくなってしまった。だって、ナゴヤドームなんて、職場からも家からもすぐ近く。こっちに来るなんて、全然言ってなかったじゃないか。知らなかった。

終演後、ちょうどその日のJUMPコンに入っていたフォロワーさんに「入った方がいいですよ!」と勧められる。めちゃくちゃ入りたい。やだ泣きそう。

ところが運の悪いことに、翌土日は既に予定が入っていた。それでももしチケットがあったらなんとか頼み込んで…と思い、探してみるもびっくりするほどのチケット高騰。JUMPコン入ってみたら?って勧めてもらってたのになあ、あのときチケット確保しとけばなあなんて後の祭り。絶望も絶望。

それでもなんとか粘って粘って。やっと見つけた定価のチケット。場所は福岡。福岡なんて物心ついてから行ったことない。ところで福岡公演のバックもトラジャいる?確証はない。けど悩んでる暇はない。初めてのチケット流〇センター。システムもいまいち分かってなかったけれど、慌てて入金。もしチケットが手に入らずお金だけ持ってかれたら?推しのいない公演だったら?そのときはそのとき、もう仕方ないと覚悟を決めて。

その後、福岡公演のバックにもトラジャが付くことが分かり、やっと少し心が落ち着いた。これまで行ったことがあるのはトラジャ単独での現場ばかりだったから分かってなかった。ジャニーズJr.を応援するとはこういうことか、とようやく理解した。事前にバックのJr.が発表されることなんてほぼほぼない。これが当たり前。なんてこと。えらいところに来てしまったものだと思った。

 

しばらく取引相手の方から連絡はなく、現場に入れるのか?入れないのか?と半信半疑のまま、まあ6割方入れないだろうな、と期待値を下げて日々を過ごした。PARADEのアルバムを借りて、いちおう美容院に行って髪を染めて、うちわの材料を買って。でもトラジャに会えるという実感は全くなかった。

コンサート前日の夜に取引相手の方から連絡があった。それでも、新幹線に乗っても、会場の近くに着いても、夢じゃないかなとずっと思い続けていた。

だから、ヤフオクドームに入ってようやく「あ、わたし、PARADEコンに入るんだ、トラジャに会えるんだ、夢じゃない」って思って、急にドキドキした。

 

そして、PARADEコン。バックのJr.目当てで入る、初めてのコンサート。これまでコンサートといえば、好きな人たちがステージ上でスポットライトを浴びて、キラキラ輝くその瞬間を見るためのものだった。大きな画面に映し出される好きな人たちの姿を見て、会場いっぱいに響く好きな人たちの声を聞くものだった。それが当たり前だった。バックに付くJr.担として現場に行く自分を想像したことなんてなかった。だから始まる前は、どういう心持ちで行けばいいんだろう?どう振舞えば?JUMPのうちわ買った方がいい?そもそも楽しめるのかな?見えるのかな?って、分からないことだらけで、とにかく不安でいっぱいだった。

でもね、そんな不安がぜ~んぶ一瞬で消し飛ぶぐらい、不安に思ってたのが馬鹿馬鹿しくなっちゃうぐらい、ほんとにめっちゃくちゃに楽しかった〜〜〜〜!

 

アンコールのとき花道で踊る宮近くんの0ズレだったこと、多分忘れない。

わたしは、ちゃかちゃんの職人気質なところが好きだ。Travis Japanというグループのど真ん中のセンターで、スポットライトを浴びて踊る人。でもその眩いぐらいのきらめきの一方で、実直に仕事や経験を”積み上げる人”だなと思う。そんなところを愛してやまない。

わたしの真正面で踊っていたちゃかちゃんは、一番明るいスポットライトを浴びているわけじゃなくて、仄暗い中で踊っていた。初めはこちらに背を向けていたのだけど、花道の横のお客さんがちゃかちゃんに目を奪われているのがはっきり分かった。こちらを向いたら、少し微笑みながら踊っているのが見えた。動きのひとつひとつがちゃかちゃんだった。その姿を見て、ああまさに今、ちゃかちゃんは積み上げている最中なんだ、と思った。自分の瞬きが邪魔だなんて初めて思った。何も見逃したくなかった。曲が変わって移動して行ってしまうとき、それまで止まっていた時がまた動き出したみたいな感じがして、なんでか涙が出そうになった。

 

今後、宮近海斗は、Travis Japanは、きっともっと明るいスポットライトを浴びるようになる。そうなると、積み上げる姿というのを見られる機会はもしかしたら減ってしまうかもしれない。そう思ったときに、間に合って良かったなと思った。"ジャニーズJr.の宮近海斗"に間に合って良かった。ジャニーズJr.の宮近海斗を知らないわたしより、知っているわたしの方が、絶対にちゃかちゃんへの好きが大きいと思うから。

 

先輩のバックというひとつの仕事に徹するちゃかちゃんは、最高にかっこよかった。

この記憶をいつまでも大切にしたい。